オンライン英会話スクール事業の現状と課題と成功戦略について

オンライン英会話スクール事業は、急速なデジタル化の波に乗り、その需要が増大しています。しかし、このビジネスの現状を詳しく見てみると、一筋縄ではいかない課題が浮き彫りになります。競争が激化し、顧客獲得の難しさ、品質維持の厳しさなどがあり、これらを解決するための成功戦略が求められています。
オンライン英会話スクール事業の現状、存在する課題、そして成功への戦略について、オンライン英会話スクールを10年前に立ち上げ、それ以降、100を超える事業者様の事業に関わらせていただいた私が思うことを解説します。
すべてのオンライン英会話スクール事業には可能性があります。事業者様それぞれに現状認識も戦略も異なります。ビジネスの成功に向けて、一つの意見としてご参考にしていただければと思います。
日々、多くの同業者様と忌憚なく意見交換しています。ご意見などいただければ幸いです。

オンライン英会話スクール事業の現状

オンライン英会話スクール事業は、日本でサービスが導入されて20年ほど経っているかもしれません。確実に成長している市場になっています。
オンライン英会話は、自宅で学べる利便性や、コロナウイルスの影響で自宅学習が増えたことから、一気に市場規模が拡大しました。しかし、一方で大手企業の参入で競争状況も激化しており、10年前には200社はあったであろうスクールの多くは事業継続が困難になり、独自の特色を活かしたサービスを開発し、存在価値を維持することに注力しています。
導入期を過ぎ、オンライン英会話スクール経営は容易ではありませんが、成長性は依然として高く、事業としての可能性が高い分野であることは間違いありません。

日本におけるオンライン英会話スクールの市場規模と動向

日本におけるオンライン英会話スクール市場は、年々拡張傾向にはあります。
多くのスクールがフィリピン人講師中心ですが、サービス導入期の、安価に英会話を話す機会としての利便性の高いサービスから、
専門領域を絞ったスクールや、個々のニーズに対応したカスタマイズ可能なレッスンやAIを活用した学習プログラムの導入など、技術の進化を取り入れたサービス展開に急速に変化しています。
ただ、英会話の機会を提供するだけでは多くのスクールが存在する余地はほとんどありません。

オンライン英会話スクール事業の課題

オンライン英会話スクール事業は、その手軽さと効率性から成長を遂げてきましたが、課題も浮き彫りになっています。
最も大きな課題は、新規の「ユーザー獲得」です。多数の競合が存在する中、ユーザーに選ばれるためには、魅力的な独自性の高いサービスが必要になります。
また、「品質保証」も大きな課題です。教材の質や講師のスキルは、ユーザー満足度に直結しますが、これを維持、向上させることも容易なことではありません。
昨今の急激な円安やフィリピンの経済成長、韓国など他国との講師獲得競争などで、優秀な講師を確保するための条件は年々、厳しくなくなっています。
一方、日本国内の購買力は長期低迷しており、習い事支出は減少しています。「価格競争力」も重要な要素で、低価格で高品質なサービスを提供することが求められています。
これらの課題に適応することが、オンライン英会話スクール事業の成功への道となります。

オンライン英会話スクールの生徒集客方法と広告媒体の課題

オンライン英会話スクールの生徒集客は、WebマーケティングやSNSを活用した方法が主流となっています。しかし、情報過多の中で注目を集めることは難しく、広告の効果を出しにくい状況です。
オンライン英会話スクールの競争が激化しており、生徒集客のための適切なマーケティング戦略が求められています。
多くのオンライン英会話スクール様の事業をサポートして実感するのは、事業者様のアイデアや想いは強く素晴らしい。一方で、Webマーケティングなど、その想いを消費者に伝えるノウハウが少なく、リソースも十分でないことです。
弊社も、10年前に一般消費者向けのオンライン英会話を創業し、最初一年間、集客に大変苦戦しました。
打開できたのは、試行錯誤しながら磨いたマーケティングの知見とコンテンツSEOのノウハウです。
ターゲット層の明確化やパーソナライズされた適切なSEOコンテンツ、そして効果の定量的な測定の、PDCAのサイクルを適切に行っていくことに尽きます。
決して、広告でそれなりの新規生徒の獲得が実現できるというほど、消費者も競合会社の広告ノウハウのレベルも甘くはありません。
成功戦略としては、SNSを活用した口コミやレビューの活用、また、教材や教師の質を訴求すること、あらゆる側面で「差別化を図ること」です。
お金で解決できることではありません。が、資金が少なくても打開できます。
マーケティング力次第です。そこに課題のある事業者様は是非、お気軽にお問い合わせください。

 

新規事業の70%、80%は失敗すると言われていますが、Dialog+は全ての事業は成功する可能性があると考えています。何か一つを変えるだけで状況が大きく変わることを何度も経験してきました。

講師の確保と育成に関する問題点

オンライン英会話スクール事業におけるもう一つの重要な問題点は「講師の確保」です。特に、中国や韓国との講師獲得競争が激化しており、専門的なスキルを持つ高いレベルの講師の確保は難しくなっています。
さらに、円安の影響も無視できません。これにより、外国人講師への報酬支払いが増大し、コスト面での負担が増しています。
また、「講師の育成」も大きな課題です。オンラインでの教育は、対面式の教育とは異なるスキルが求められます。講師の育成には時間とコストがかかり、効果的な育成方法の確立が求められています。
もちろん、その講師が外国人(例えばフィリピン在住のフィリピン講師)の場合、フィリピンの労働法や契約、税金などの理解と適法な管理が必要になります。
自社で現地法人を設立し対処することも多大なコストとリスクがあります。人件費が安価で、英会話指導力も十分なフィリピン講師でレッスンを行う場合、現地の業務受託会社との契約が欠かせません。
弊社は、フィリピンに現地法人を持ち、フィリピン講師の採用(契約)、教育、労務管理、レッスンスケジュール管理、レッスン時お客様サポートなどを、レッスン提供サイドのすべてを受託可能です。
日本人スタッフが関わる業務をフィリピンに委託することも可能かもしれません、人件費コストは数分の一になります。
自社拠点を持つ大手スクール様以外は、フィリピンの業務委託会社の選択と連携体制が、[商品]の品質、安定供給の一番のポイントになります。(それが失敗する理由になる事例も多く、十分に比較検討すべきポイントになります)

<フィリピンビジネスあるある 1>

最近、フィリピンの講師のレッスンを行う複数の事業者様から、フィリピン講師の人件費(原価)の高騰についてご相談を受けるケースがありました。

信じがたいことですが、弊社が通常行えているコストの2倍以上を支払われていました。
フィリピンは経済成長の真っただ中にあり、優秀な人材の人件費は急上昇もしており、欧米などがクライアントの受託サービスでは、相手先国の価格水準差が大きくなり、特に日本でビジネスを行う私たちにとって厳しい状況です。
原価を抑え、運営管理を合理化し、最先端のAI自術などに投資し、かつ、安価にサービスを提供することに鎬を削っている企業がある一方で、
硬直化した運営体制で時代対応する投資も行えない状況で、大手以上に高く買ってくれるクライアントに、高額で販売している。善良な日本人に対して、過大な受託手数料や報酬を提示されている事業者や講師が多いことも事実です。
はっきり言えば[ぼったくり]ですが、もう少しフィリピンビジネスの実態を知っていただければ・・と思うことお多いです。

委託先の事業者様や講師に対して、常に妥当な仕入れ価格を維持できる仕組み(契約形態)にしておくことが重要になります。

AIなどの技術革新への対応

オンライン英会話スクール事業はAIやその他の技術革新によって、まさに今、大きな影響を受けています。
AI技術の進化は、自動翻訳や音声認識の精度向上を実現し、オンライン英会話スクール事業の更なる飛躍のチャンスにもなります。講師の経験の無限大の情報と分析力で、生徒の学習進度や理解度を個別に瞬時に把握し、パーソナライズされた学習経験を提供する時代になります。
プログラムや機会に何ができるんだ!人間が一番!と距離を置いている事業者様の多くは、厳しい状況になっていくとは思います。少なくとも、よく理解して、(最先端の技術を利用しなくても)時代に適合していかねばなりません。
これらの技術革新は、教師の役割やレッスンの内容の再考を余儀なくしていますす。
最新の技術と講師の組み合わせ方を各社模索している段階と言えます。これからのオンライン英会話スクール事業の成功戦略は、AIと人間教師の協働による新しい教育体験の創出にかかっていると感じます。

■フィリピンビジネスあるある 2:英会話サービス事業の現状

かって(15年ほど前)、オンライン英会話が単に安価な英会話の機会としてのニーズであった時代、200を超える事業者が乱立しました(PC1台でビジネスが行えます)。
オンライン英会話サービス事業者にとってコロナバブルもあり、事業規模を拡張された事業者もあります。しかしながら、ここ5年で状況は一変しています。大手事業者はIT投資により、オンライン英会話サービスは劇的に進化しています。来年には、レッスン中にリアルタイムでAIが評価し、生徒と講師に的確なガイドをするようになるかもしれません。
多くのオンライン英会話事業者は時代対応ができず、システムもサービス品質も時代遅れになり、退場を余儀なくされています。

業務委託先(オンラインレッスン提供元)として事業者を選考される場合は、時代遅れの事業者を選択しないことです。
オンライン英会話専業、本気で事業運営している事業者を選択したほうが数年後のリスクは減ります。如何ともしがたい時代遅れ感で御社の事業価値を毀損する日は直ぐに訪れます、特に事業所や講師などの固定費が大きいところほど、見替えは良いですが、変化に対応できない事業者が多いと言えます。ベテランのオフィスベースの講師が多い。それは競争成長環境にない相対的に低品質化していると言うことです。
事業者選定の方法はシンプルです。利用者として(予約システムやオペレーションやレッスンを体験し)、最大手のオンラインスクールのサービスレベルと比較評価するだけです。
先行企業はIt投資し、分刻みでのオペレーションの合理的な運用システムを磨き、且つ、
低価格を実現しています。講師のレベルも厳しい競争環境故に高くなっています。
TOP企業群よりも見劣りするなら、年々価値が下がることも想定して、それ相応の価格で交渉すればよいと思います。事業者が言う付加価値(ゆえに高価格)は、それほどの価値はない場合が殆どです。
オンライン英会話自体への期待要件が高くなく、「ただ、会話する機会として」であれば、大手スクールを利用したほうが間違いはありません。
一方、新規事業として検討されている場合は、大手との競争を避ける、評価軸を変える戦略が重要になってきます。極論すれば、システムもなくAI対応もなくても。魅力的だと利用者に価値を感じていただければ、成立するということです。
新規事業(後発)の場合、専業大手に並ぶことは容易ではありません(むしろ、避けるべきです)。独自の魅力は何なのか?を磨きこんでいくことが大切になります。

オンライン英会話市場の競合状況と差別化

オンライン英会話市場は成長を遂げていますが、大手企業の参入や寡占化により、新規参入には一層、戦略性が必要にはなっています。差別化戦略により、その魅力を際立たせることは十分に可能です。
デパートなどの小売業と同じく、オンライン英会話市場は、玉石混交の黎明期から、大手資本による寡占化(平準化)に進み、 そして次は専門特化したスクール乱立の時代に変化していくことでしょう。
それは、資本力がなくても、存在価値を確立できる可能性が高い時代になることでもあります。

オンライン英会話スクール事業の成功戦略

オンライン英会話スクール事業の成功戦略は、独自性を強調し、差別化を図ることに尽きます。
例えば、特定のターゲット層に絞る、特定のニーズに焦点を当てたカリキュラムを設ける、多様なバックグラウンドを持つ講師を揃える、または学習者の進捗を詳細に追跡し、パーソナライズされたフィードバックを提供するなどの戦略が考えられます。
学習者は自分に合った学習環境を求めています。それは多様です。どのようなニーズにも対応できるスクールは、実は何にも対応できないのかもしれません。
その特定のニーズに確り応えることができるスクールは、市場での競争力を保てるでしょう。常に独自性を追求し、そのブランドの認知度と信頼性を高め、PR力を磨いていきます。

効果的なビジネスモデルとサービスの開発

今後のオンライン英会話スクール事業には、従来の枠組みにとらわれないビジネスモデルとサービス開発が必要になってくるでしょう。専門特化型のスクールや、他業種との協業による新たな価値提供などです。
例えば、IT企業と協業したプログラミング英語教育、留学学校や通学型の英会話スクールとの相互補完連携など、様々な形態で、より高いサービス価値を創造していく動きが加速すると思います。

技術革新への適応、活用

オンライン英会話スクール事業はインターネットサービスゆえに、通学型スクール以上に、技術革新への適応と活用を避けることができません。
新たなテクノロジーが登場するたびに、スクールはそれを理解し、活かし適応するか、生徒たちがより効果的に学べる環境を作り出すか、を考えていくことが必要です。
AIを活用した自動音声認識や、VRを用いたバーチャルな学習空間など、技術革新はオンライン英会話スクールの学習体験を一層豊かなものにしています。ひとくくりで「オンライン英会話サービス」とは言えない多様なサービスが生まれています。
自社で開発する資金やリソースがない事業者が殆どです。それらにコストをかけても、できた瞬間に陳腐化します。一方、開発会社側も競争が激しく、如何にニーズに適したサービスを開発するか、利用者を増やすか、課題を持っています。協業や共同開発など、お互いのリソースを活かしあう方法があるはずです。
オンライン英会話だけに固執せず、ユーザーの求めていること、環境の変化を感じながら事業を変化させていくセンスと努力が必要です。

オンライン英会話スクールの事業成長への道筋

オンライン英会話スクールの事業成長には、独自性とonly1の戦略が不可欠であるとお話してきました。
現状、多くのスクールが未だ未だ、似たようなサービスを提供していると言ってもよいでしょう。
この一見同じようなサービスの中で、自社の特色をどう際立たせるか。他社にないonly1のサービスを提供することが求められます。
オンライン英会話スクール業界は未だ20年、時代(技術)の進歩に最もビジネス環境が変わる、最も速いスピードで変化していく業界だと思いますが、常に、誰にもチャンスがある魅力的な市場です。
私がオンライン英会話サービスを起業したころ、レアジョブさんが脚光を浴びDMMさんが参入された時期でした。今、レアジョブさんは大きく事業変態され、ネイティブキャンプさんが斬新なサービスを続々と新規開発されています。第二グループとして10社ほど着目していましたが、今も継続されているサービスは3社程度だと思います。
一方で、従来のオンライン英会話サービスの範疇では括れない様々な業態のサービスを生まれています。
弊社は開発型・マーケティング志向の事業者として、それら多くの新しいビジネスに関わらせていただいており、とても前向きにこの業界のミライの可能性を感じています。

こんなことやってみたい。でも、〇〇が足りない。
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株式会社ダイアログプラス
代表取締役 田中俊光